トラジャその日その日1976/78──人類学者の調査日記

山下晋司さんが1976年9月から78年1月までの間にインドネシア・スラウェシ島のトラジャで行った、フィールドワークの貴重な記録を公開します。

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

第7回 儀礼調査の日々、日本からの旅行者、調査の憂鬱 1977.1.15〜2.1

1月15日 ト・マンカイ (to mangkai) (註1)という儀礼があると聞き、パンロレアンへ。儀礼がおこなわれたのはト・ミナア祭司(ネ・カダッケ)の家だった。生まれた孫のためのものだが、豚を供犠して、竹筒料理を作り、共食するというパターンは他の儀礼と同…

第6回 トラジャのお正月、コミュニティ・スタディに着手 1977.1.1〜1.14

1977年1月1日 元旦。赤飯──アズキではなく、カチャン・メラという赤い豆を餅米に混ぜて炊いたもの──を食べ、(貴重な)インスタント味噌汁をすすって、「おせち」とした。お正月といっても何もすることがないので本を読んでいると、村人が「スラマット・タフ…

第5回 調査その日その日、田起こし、クリスマス 1976.12.13〜12.31

12月13日 午前中、ウジュンパンダンで写させてもらったL. T. タンディリンティン(写真1、2)によるトラジャの系譜を清書する。系譜はトラジャ社会でどのような意味を持っているのか、どのような記憶のパターンに支えられているのか調べてみたい(写真3)。…

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